不動産情報デジタル標準化の覚書

(元)宅建士・プログラマーが提言したいこと

課題(1):検索サイトごとに異なる入稿仕様

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>>目次

 昨今、多くの検索サイトが乱立してきており、不動産業者としては手間も費用もかかってばかり、というのが本当のところです。物件広告は、出して終わりというものではないので、リアルタイムに更新しなければならず、どうしても不正確な情報になります。条件の変更、入居可能(入居中、空き予定、即)状況の変化、申込・成約取り下げ等々、様々なタイミングで更新する必要があります。繁忙期などは地獄です。

 この非効率な構造に目を付けて、問屋的な「データのコンバート業者」(いい生活、レンターズ等々)が登場し、無駄な階層構造を作って利益を得ている状況です。

 業界団体にいたっては、乱立しているからといって、自分達で統合サイトをやろうとして、過去の失敗にも学ばず、壮大なるお金の無駄遣いを続けています。

 特に、賃貸においては、いわゆる「仲介会社」が物件検索サイトへ大量に2次広告(先物物件)を出し集客して、(元付けの)「管理会社」にお客さんを紹介(客付け)する、というのが多くなっています。

 その結果、情報の鮮度や正確性の低下、アナログな電話やFAXによる空室確認の手間の増加、など別の弊害が爆発的に増大してきています。

 具体的に、複数の検索サイトに物件情報を公開・登録する方法として一般的なパターンを以下に4つ紹介します。 

パターン1.人力型(各サイトにログインして手入力)

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 基本のタイプですね。非効率極まりないです

 

パターン2.コンバート型(中間業者=コンバート業者=登録代行)

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 自社の業務ソフトから書きだしたCSVファイルを、中間業者がデータを変換(コンバート)して、各検索サイト向けにそれぞれCSVファイルを変換して、FTPで送信。

 こんなの、技術的にもデータベースの中身をCSV形式でFTP使ってブン投げているだけなので、処理も重たいし、大変な非効率です。インターネットに相応しくないです。 中間業者が入りますので費用も掛かります。

 

パターン3.テンプレ型(検索サイト間借り)

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  一つの検索サイトに完全に全部依存してしまいますね。おススメしません。

 

パターン4.乗っかり型(管理システム全委託)

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 力技の丸投げ依存の高コスト体質ですね。自社が使う業務ソフト(物件管理システム)が、各物件検索サイト向けに、データをそれぞれ加工して、コンバート型と同じFTPCSVを投げている。一つの業務システムに完全依存する形で、それが内部でコンバート掛けている。非効率極まりないですね。

 これ、管理システムを開発しているソフトウェアエンジニアの人達も、内心はなんで個別のサイトごとに一々糞みたいな仕様に合わせて変換をかけなきゃいけないんだよ、アホじゃないの?と思っているはずです。(当然、彼らはそれで飯を食っている訳で、決して表立って公言することは無いでしょうが)

 

の4パターンと、その派生型、混合型となります。

 細かいことを言うと、FAX入稿や、図面出稿のオプションで、みたいのもありますけれども。

 

まとめ

 混沌としてます。やり方も原始的で手入力や、力業でコンバートするのも非効率です。コンバート業者にお金を払って、というのも後ろ向きで非効率の極みです。

 解決方法は、APIを使って自動化する事です。後述します。

 

次回は、慣行と慣習と規制についてです。