不動産情報デジタル標準化の覚書

(元)宅建士・プログラマーが提言したいこと

課題(2):ITリテラシーと悪質業者

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>>目次

 

不動産業界のITリテラシー

 世の中には、まだまだ、パソコンに慣れない人たちは多いようです。みながパソコンを日常的に使うわけではないのが日本の現状。あまり学校に行かなかった人たち。ずっとガラケーで来た人たち。スマホしか触った事のない若い人達。

 いわゆる、駅前の小さな不動産屋のおじちゃん、おばちゃんの店。インターネットなど不要でやってきたし、これからも不要という人達。

 それはそれで構わないです。まったく問題ない

 問題は、それを言い訳に業界全体でIT化が放置されていて発展が無いことなのです。「初心者にも分かり易いように」この一言は「普通の人には使いにくいように」と言うのと同義語です。 

 パソコンを使えない宅建業者の社長がいるから、業界としてもIT化出来ませんとか、ジョークみたいない話しは、他でやってください。アルバイトを雇ってもらうか、入力代行業者さんを利用してもらえばよい話しであって、現状でもアットホームや協会さんの側で紙の図面から物件情報を入稿する手段は様々存在しています。

 パソコン使えない人が居るから・・・という言い訳は耳がタコになるくらい聞きました。じゃぁ、階段が使えない人がいるから、階段を一切作らないのか?と。アホかと。

ハンコと電子契約

 今注目の、ハンコの問題と電子契約について触れておきましょう。一言で言うと、別に電子契約ができるようになっても何も変わらない、です。
 なぜか。不動産屋さんに言わせると、「電子契約で紙とFAXが不動産業務から無くなると思ってるのが居たら相当おめでたい奴だな。電子契約できるようになったからと言って、電話と手入力の手間が減る訳でも無しに」と馬鹿にされてお終いです。
 良く分かります。日本において、いや世界において、紙による契約書は当分無くならないでしょう。業者間の契約が電子化で統一されたとしても、一般個人向けの賃貸・売買契約で紙の契約書の形態が生き残る限り、電子契約が出来たって、寧ろ、両方の対応をしなければならくなり、手間が倍になるだけです。

悪質不動産業者の存在

 不届き物の悪質不動産業者の存在が物件情報の流通IT化を妨げている側面があります。

 物件情報の無断掲載と無断転載の2次広告を行う不動産業者がいるのです。たとえば、アパマンショップなどはインターネット上で出回っている物件情報を全て丸コピし、自社データベースに取り込み、勝手にインターネット検索サイトに広告を掲載したりして大問題となりました。

 情報発信元である元付け業者からの依頼も承諾もなく、勝手に募集を出しているので、いわゆる「おとり広告」以前に、もっと悪質です。

 アパマンショップは物件検索サイトでその「おとり広告」をみたお客さんが釣れれば、大家貸主に直接話しを持っていくか、自社物件にすり替えて契約させるという信義に反する、「中抜き」という悪質な行為を行っていたりします。

 そのうえ、適当に元付けに客付けする場合、入居者から除菌消臭施工代31,500、安心入居パック18,900、初期消火器6,090円といった、契約金に上乗せ請求しアパマンの自社利益とする悪質な行為までしています。

 こういった悪質な業者が出てくるので、本当は宣伝したい、広く情報は出して流通させたい、共有させたい、という反面、信頼している同業者以外には詳細情報はなるべく出したくない、というアンビバレントな事が起きるのです

 こういった事情は、実際に不動産業界にいて、実務をやった事のある人間でないと、分からないことでしょうね。

 後述する海外の事例では、デジタル標準化を済ませたアメリカでは、IDX(後述します)といったツールとルール作りによって、自社が認可を与えた会社にしか情報の利用・共有を許可しない、といった方法も実装することが出来ます。

 

次は、業界団体問題です。