不動産情報デジタル標準化の覚書

(元)宅建士・プログラマーが提言したいこと

技術要素(1):3大原則

本ブログは下記へ移転しました。誠に申し訳ありません、お手数をおかけします。

 

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>>目次

3大原則

不動産物件情報流通IT化における技術的仕様の3大原則は、

 

1.インターネット
2.オープンスタンダード
3.ベンダー独立・非依存

 

であるべきです。

 一つ一つ見ていきます。

1.インターネット(WWWでありHTTPを使う)

 当たり前すぎる話しですが、念のため。

 決して、FAX入稿とか、CSV(コンマ区切りデータ)ファイルを書き出して、FTP(ファイル転送)とか有り得ないから、考えるのもやめて欲しい・・・と思うのが当たりですが、実際の所、各物件検索サイトへのデータ入稿は、一々手入力か、またはCSVファイルにダンプしてFTPで送っているだけなのが実態です。(いや今の時代、普通にHTTPでXML使えよ、みたいな)

 また、初期のEDIのような、専用回線で直接やり取りするような閉じたネットワークで行う、というのは物件情報流通を促進するのにある意味逆行する話しであり、広くインターネットで参加者を排除しないネットワークであるべきです。

2.非プロプラエタリー規格(オープンスタンダード)

  ウェブ開発の大原則。オープンな標準規格を策定する。独自規格は使わない。

 CSVで、行の順番次第とか、項目のデータ形式が各社異なる、とかそういうのではなく、業界統一のオープンな標準規格でなければなりません。 

 特定企業のソフトウェアやシステムのデータ形式を強制させるのは論外、という事です。

 IEでしか閲覧できないサイト、Windows(プラットフォーム)でしか使えないActiveXの埋め込みサイト、ドコモの携帯でしか見られない「i-mode」それらは、死に行く運命。それは、World WideなWebでなく、オレオレNetのオレ様ネットワーク。インターネットではない。W3Cの仕様と規格と原則に則った、インターネットであるべきです。

(ええ、2021年になってやっとIE限定が解消されたレインズの事ですよ、レインズ)

 データ形式についても、特定のベンダー(製造業者)の権利のあるソフトウェアでないと、編集できないデータ形式は論外。たとえば、マイクロソフト社の表計算ソフトのエクセルでないと編集できないデータ形式など。

 例えマイクロソフトがなくなっても大丈夫な仕様にすべき。あくまでも仕様はプラットフォームから独立したものでなければならない、ということ。

 

 プロプライエタリ(ぷろぷらいえたり)

 開発者・開発企業などが製品やシステムの仕様や規格、構造、技術を独占的に保持し、情報を公開していないこと。その情報独占者でなければ、開発・修正・改編・管理ができない状態となる。

 プロプライエタリ(proprietary)は「専用の」「独自の」「独占的な」「所有権・占有権のある」「非公開の」の意味で、コンピュータ関連用語としてはオープン(open)の対義語となる。

 標準化の進んだパソコン(クライアント/サーバ・システム、Webシステム)によるシステムを「オープン・システム」と呼ぶとき、メインフレーム・システムのように特定メーカーなどによる特定の独自仕様によって構成されたコンピュータ・システムを「プロプライエタリ・システム」という。

 また、Linuxに代表されるソースコードが公開されたソフトウェアを「オープンソース・ソフトウェア」「フリー・ソフトウェア」というのに対して、WindowsMac OSのようにソフトウェアメーカーがソースコード知的所有権)を独占あるいは占有しているソフトは「プロプライエタリ・ソフト」と呼ばれる。

 

3.ベンダー独立・非依存

  日本固有の悪習であるITゼネコンに丸投げして依存、と言った事は論外です。

 なにしろ、日本のITゼネコンSIer)は、NTTデータや日立なんとかと言った、一定以上の年齢層には効果てきめんの名前を使った子会社を利用して、業界団体に取り入って、素人でも作れるようなサイトを自分達では一切作りもせず、下請けのさらに孫請けなどに丸投げし、相手がIT分からない層だからといって、いいようにお金を吸い上げてポイするような吸血鬼のような存在だったからです。

 この件については書きたい事は山ほどありますが、また別の機会に。

 

 次回は、不動産XMLとAPI、そして不動産IDの話しです。